【短編小説】 殺人ポリス – 連続殺人事件の謎

連続殺事件が世間を賑わしていた。
しかし、犯人が一向に捕まらない‥
捕まらない理由には”恐ろしい事情”があった‥
目次
プロローグ
とある街では、連続殺人事件が世間を震撼させていた。犠牲者は増え続け、街中は不安に包まれる。そんな中、若手刑事のカオルはこの事件を追うことになる。彼女は一途で情熱的、正義感が強い。犯人の手がかりを必死に探すが、なぜか証拠は消され、犯人に近づけそうで近づけない。被害者が増える一方、カオルは次第に追い詰められていく。
1. 消え続ける証拠

カオルの捜査チームには、優秀で尊敬される上司のオリハラがいた。彼は部下から信頼され、いつも冷静に対応していたが、事件が解決しないことに苛立ちを感じていた。だが、カオルは何か違和感を感じていた。毎回犯人に近づくたび、決定的な証拠が何らかの形で消されてしまう。何かがおかしい——彼女は捜査の内部に何かがあることに気づき始める。
2. 容疑者は警察内部
捜査が進まない理由を疑い始めたカオルは、独自に調査を始める。そして、信じられない事実に辿り着く。犯人は外部にいるのではなく、警察内部にいる。それも、彼女のすぐ近くに。カオルの上司であり、捜査のリーダーであるオリハラが、証拠を操作し、犯行を隠していたのだ。
普段、街のパトロールをしているオリハラは、市民の安全を守るふりをしながら、次のターゲットを見つけていた。そして、そのターゲットが殺されるたび、彼は証拠を消し去り、誰も自分を疑わないように振る舞っていた。
3. オリハラの過去
しかし、なぜオリハラは殺人犯になったのか?カオルは彼の過去を深く掘り下げていく。オリハラはかつて、誠実な警察官だった。しかし、ある事件で無実の人を誤って逮捕し、その人物が冤罪で命を落とすという痛ましい経験をしていた。自分の過ちに苦しみ、警察組織の腐敗に絶望したオリハラは、次第に「正義の手を自ら下す」ことを決意するようになっていた。
彼の中では、「法の外で裁きを下す者」こそが正義だと歪んだ信念を持つようになり、犯罪者や社会に害を与えると感じる者を標的にする連続殺人を始めたのだった。
4. カオルの決断
カオルはその真相に辿り着き、オリハラと対峙する。「正義」という言葉の意味が大きく歪められたオリハラを前にして、カオルは苦悩する。彼はかつて尊敬していた上司であり、優れた刑事だった。しかし、彼を放っておけばさらなる犠牲者が出るのは確実だった。
カオルは葛藤しながらも、最後の決断を下す。オリハラを逮捕し、彼が犯した罪を全て公にする道を選ぶ。彼女の正義感は、真の正義のために彼を裁くことを選んだ。
エピローグ
オリハラは逮捕され、街は平和を取り戻したかに見えた。しかし、カオルの心には深い傷が残る。信頼していた上司が殺人犯だったという事実は、彼女の心を揺さぶり続けた。だが、彼女は新たな正義感を胸に、再び捜査に身を投じる。
完